デザインが採用されない理由とは?クライアントに伝わる説明のコツ7選

Webデザイン

デザイナー内で評判の良い案も、なぜかプロジェクトメンバーやクライアントには理解されず、最終的には採用されない。
そんな経験をしたことはありませんか?

デザインは「見た目が良い」というだけではなく、目的を持って設計されたものです。
しかし、その意図が伝わらなければ、十分に効果を発揮できません

本記事では、デザイン未経験者に対して適切にデザインの意図を伝え、理解してもらい、採用されるためのコツを紹介します。

デザイナー自身の心構え

適切なデザイン案を作成すること

デザイナーが解決すべき課題を理解し、適切なソリューションを提供することが前提です。
もし案が適切でなければ、どんなにうまく伝えたとしても採用されることはありませんし、課題を解決できていなければユーザーの利益にはなりません。

まず最初に、求められている要件を満たす案を作成します。
必要な要素が欠けているデザインは、良し悪し以前の問題です。
そのため、まずはクライアントが求める要件をしっかり満たした案を作成することが重要です。

もしすでにソリューションが決まっており、あなたの案がその上を行くと感じた場合でも、
最初は求められている案を作成することが大切です。
クライアントはまだ案を持っていない状態で、他の提案をしても納得しづらいため、
求められた要件を満たす案をまず提示することが重要です。

デザイン未経験者に歩み寄ること

「デザイナーは、見た目を良くするだけ」だと考える人も多いかもしれません。
そのように感じる方々は、デザイナーの仕事の全貌を理解する機会がまだなかったのだと思います。

しかし、そのような誤解に対して憤りを感じて説明する方法は、必ずしも効果的ではありません。
言葉で伝えることは大切ですが、それだけでは本当の納得を得るのは難しいです。
時間が経つにつれて、実際の仕事を通じて理解を深めてもらうことが、最も効果的な方法です。

そのため、説明方法を考える際には、こちらから歩み寄る姿勢を持つことが重要です。
この姿勢を持つことで、良いコミュニケーションが生まれ、プロジェクトも円滑に進みます。
最終的な目標は、相手の認識を変えることではなく、プロジェクトを成功に導くことです。

デザイン意図を伝えるための7つのポイント

1. 課題解決に焦点を当ててデザインを説明する

デザインの目的を「美しさ」ではなく「課題解決」として説明します。

例えば、「このレイアウトは視覚的にバランスが取れている」ではなく、「このレイアウトはユーザーが迷わず目的の情報にアクセスできるように設計されている」と説明します。

2. 既存のデザインと統一性を保つ重要性を説明する

既存のデザインやブランドガイドラインに従うことは重要です。
例えば、ブランドカラーやフォント、ロゴ、既存のUIルールを守ることで、ユーザーが自然に理解しやすくなります。

統一性を保つことで、ユーザーの学習コストが下がり、迷わず操作できるようになります。
また、新しいデザイン案が既存のものと矛盾しないようにすることが、スムーズな体験を提供するためには欠かせません。

3. 専門用語を避けてわかりやすく説明する

デザインには専門用語が多いため、それを避けることで相手が理解しやすくなります。

例えば、「ホワイトスペース」という言葉を使う代わりに、「余白を取ることで目線が集中しやすくなる」と説明します。

4. デザイン効果を具体的な数字やデータで伝える

デザインの効果を実証するために、実際のデータや数値を使います。
例えば、「この色を使うとクリック率が〇%上がった」や、「ボタンのサイズを大きくすると、ユーザーが直感的にクリックしやすくなる」といった具体例です。

デザイン案の段階では数値データが難しい場合もありますが、過去の案件や競合の成功事例を引用することが有効です。
また、一般的なデザインや競合に似たデザインを使うことで、ユーザーの学習コストを下げることができます。

5. Before-Afterで視覚的にデザインを比較する

デザインの変更前と変更後を比較することで、改善された点を視覚的に示します。

例えば、リニューアルしたWebサイトのスクリーンショットを見せて、どのように使いやすくなったかを説明します。

6. ストーリーテリングを使ってデザインを説明する

デザインがどのようにして課題を解決するかを、ストーリー形式で説明することも有効です。

例えば、「ユーザーがこのページに訪れて最初に目にするのは〇〇で、その後、次のアクションに進めるように導線を設計しています」といった形で説明します。

7. デザインプロセスを伝える

デザインがどのようなプロセスを経て作られたかを簡単に説明することで、相手にデザインが単なる「見た目」ではなく、しっかりと考えられた結果であることを伝えます。

例えば、「まずターゲットユーザーのニーズを調査し、そのデータを基にデザインを進めました」といった形で説明します。

相手に合わせたデザイン説明

基本的な説明方法に加え、相手の業種や役割によって重要視するポイントが異なります。
その違いを踏まえて説明を行うことで、より理解が深まり、納得感が増します。

経営者やマーケターに適切なデザイン説明をする

事業への影響(売上、コンバージョン、ブランド)を伝えます。
デザインの統一性や変更がユーザーに与える影響についても説明しましょう。

もしネガティブな部分がある場合、それを隠さずに伝えることが重要です。
そのネガティブな要素があっても、現在の案が最適な選択である理由をしっかりと説明します。
隠し立てをしないことで、誠実な態度が伝わり、判断材料が増え、信頼感を高めることができます。

エンジニアに配慮したデザイン説明のコツ

実装しやすさという観点は、デザイナーが完全に考慮するのは難しい部分です。
そのスキルがあると良いですが、それができなかったからといって、デザイナーとして大きな課題があるわけではありません。

そのため、開発コストがかかるかどうかは、厳密にデザイナーが判断することではありません。
フィードバックがあれば、適宜検討して対応していくことが重要です。
ただし、フィードバックを受ける前に考慮できる軸として、デザインの仕様が複雑であると、開発も複雑になる可能性があるという点があります。
このような配慮ができると、エンジニアとより良い連携を取ることができ、寄り添った提案ができるようになります。

まとめと次のステップ

デザインの意図を未経験者に伝えるには、課題解決に焦点を当てる、専門用語を避ける、具体的なデータを使うなど、さまざまな工夫が必要です。これらのテクニックを実践することで、デザイン案をより効果的に伝えることができ、プロジェクトを成功に導く手助けとなるでしょう。

次のステップとして、まずは今回ご紹介した基本的な伝え方のポイントを試してみてください。デザイン案を説明する際に、このアプローチを活用し、相手の理解を深めていきましょう。

デザインはスキルだけではなく、伝える力が組み合わさることで、採用されやすく、ユーザーにも効果的に届きます。
ぜひ、このテクニックを活かして、より良いデザインコミュニケーションを実現してください。

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